競馬予想をしていると、「追い切りとは何かがよく分からない」「どこを重視すればいいのか迷う」と感じたことはありませんか。
新聞やネットで情報を目にしても、専門的な用語や記録ばかりで具体的にどう活用すればいいのか悩む読者も多いはずです。
本記事では、追い切りとは何か、その目的や種類、コースごとの違い、そして競馬予想にどう活かせるのかまで、分かりやすく解説します。
追い切り情報を読み解くポイントを押さえれば、予想の精度がグンとアップし、競馬の楽しみ方も広がります。
「追い切り」を味方につけて、より一層深い競馬予想にチャレンジしてみませんか。
追い切りとは何かを理解し競馬予想に活かす方法

競馬を予想する際、馬の能力や状態を把握するために重要なのが「追い切り」です。
追い切りはレース直前の最終調教ともいわれ、馬のコンディションや仕上がり具合の判断材料となります。
競馬ファンや予想家は、追い切りの内容をもとに出走馬の好走や凡走を予測し、馬券検討に役立てています。
追い切りの目的
追い切りの主な目的は、レース本番に向けて馬の状態を最終的に整えることです。
レース直前に馬体や気持ち、脚元の調子などの最終確認を行います。
また、調教師や騎手が直接馬に跨り、コースで強めの追い運動を行うことで、その馬本来の力を出せる状態に仕上げます。
レースに向けての精神面や体調面のリセットにもなり、集中力を持たせる効果も期待できます。
追い切りで重視されるポイント
追い切りを見る際には、次のようなポイントが重視されます。
- 動きの力強さや行きっぷり
- タイムの速さやラップのバランス
- 馬体や毛ヅヤの状態
- 呼吸や息遣いが乱れないか
- 併せ馬の場合の負け・勝ちの内容
これらを総合的に判断し、仕上がりの良し悪しを見極めます。
追い切りと調教の違い
追い切りと調教は混同されがちですが、実際には役割に違いがあります。
区分 | 目的 | 時期 |
---|---|---|
調教 | 馬の基礎体力や走りの質を高める | 普段から継続的に行う |
追い切り | 本番直前の最終調整や状態確認 | レース前の数日〜1週間程度前 |
このように、調教が「日々のトレーニング」なら、追い切りは「仕上げの一発」といえます。
追い切りのタイミング
追い切りは通常、レースの数日前に行われます。
GIレースなど大一番の場合は、水曜日など週の半ばに実施されることが多く、その他のレースでも木曜や金曜に追い切るケースがよくあります。
馬や厩舎によってタイミングには違いがあり、陣営の方針や馬のコンディションに合わせて調整されます。
追い切りがレース成績に与える影響
追い切りの内容はレースでのパフォーマンスに直結します。
良い追い切りを消化してきた馬は、レースで力を出し切れる確率が高まります。
逆に、追い切りで動きが重かったり、タイムが遅かった馬は状態不安や調整不足の可能性もあります。
過去の好走馬の多くは、充実した追い切りを行っていることが多いです。
追い切り記録の読み解き方
追い切り記録にはタイムやコース、併せ馬の有無など多くの情報が掲載されています。
一般的にチェックすべき主なポイントは次のとおりです。
- 全体時計とラップタイムのバランス
- コース(ウッドチップ、ポリトラック、坂路など)の違い
- 併せ馬・単走か、先着・遅れかの内容
- 追われた仕掛けの強さ(手応え)と反応
- ゴール後の動きや息の入り方
記録の数字や文字面だけでなく、馬の動きや仕掛けの様子の詳細にも注目しましょう。
追い切り情報と競馬予想の関連性
追い切り情報は競馬予想において非常に重要です。
好内容の追い切りをした馬は、人気に関係なく上位争いをするケースがあります。
一方で追い切りが平凡または物足りない場合は、人気馬でも取りこぼすリスクが高まります。
特に次のような活用方法が役立ちます。
- 馬柱や調教欄の追い切り内容を確認
- 過去のパターンと比較し、変化や上昇度合いをチェック
- 陣営コメントや他馬との併せ馬の結果も参考にする
これらを総合的に考えることで、高配当のヒントや穴馬の発見にもつながります。
追い切りの種類別特徴

競馬における「追い切り」は、レースに出走する馬の調整過程で異なる方法が用いられます。
それぞれの追い切り方法には特徴があり、その時々の馬の状態や目的に合わせて選択されています。
単走
単走とは、1頭だけでコースを走る追い切り方法です。
馬自身のリズムやコントロールを重視したい時によく用いられます。
他馬の影響を受けず、落ち着いた走りや脚さばきの確認に適しています。
特にレース前に精神面の安定をはかりたい場合に効果的です。
併せ馬
併せ馬は、2頭以上で並んで走る追い切り方法です。
互いに競り合うことで実戦に近い負荷をかけられます。
仕上がり具合や闘争心、反応の良さを見るのに最適です。
- 実戦感覚を磨ける
- 他馬と比較して状態を把握できる
- 追走・先行どちらのパターンでもトライできる
併せ馬は調教パターンのなかでも重要な位置づけとなっています。
馬なり
馬なりとは、馬の自発的なペースにまかせて追い切る方法です。
ジョッキーが無理にペースを上げず、馬自身が走りやすいスピードを維持します。
主に調整や疲労回復を目的とした調教に使われ、馬のコンディションを崩さないよう配慮されます。
メリット | デメリット |
---|---|
馬の負担が少ない | 強い負荷がかけにくい |
リラックスして走れる | 実戦の感覚は磨きにくい |
強め
強めとは、ジョッキーがある程度強く追ってスピードアップさせる追い切りです。
適度な負荷をかけて仕上げや心肺機能向上を狙います。
レース直前など、もう一段階状態を高めたい時によく使われます。
速いラップを刻むことがポイントで、馬の限界に近づく前の調教となります。
一杯
一杯とは、全力で追って最大限に負荷をかける追い切りです。
全身を使ってゴールまで走り切ることで、実戦に向けて筋力やスタミナを養います。
コンディションが万全でないと体調を崩すこともあるため、慎重にタイミングが図られます。
通常はレース数日前の最終追い切りで行われるケースが多いです。
代表的な追い切りコースの比較

競馬における追い切りは、コースごとに特徴や狙いが異なります。
代表的なコースには坂路、ウッドチップ、芝、ダート、ポリトラックなどがあり、それぞれにメリットや使われ方があります。
どのコースを使って調教するかによって、馬の仕上がりやレースパフォーマンスに影響を与えることが多いです。
ここでは各コースの特徴を具体的に見ていきます。
坂路コース
坂路コースは、勾配のあるまっすぐなコースで、主にスピードとパワーを鍛えるために使用されます。
短時間で集中的な負荷をかけられるので、馬の心肺機能や瞬発力の強化に効果的です。
坂の傾斜を利用することで、平坦なコースに比べて一層脚力を求められます。
日本の厩舎では美浦トレセンや栗東トレセンに設置されており、多くのトップホースが坂路調教を取り入れています。
- 短距離型のスピードアップに適している
- パワーや脚力強化が期待できる
- 時計が出やすい日や馬場状態もあるので調教タイムの比較には注意が必要
ウッドチップコース
ウッドチップコースは、木片を敷き詰めたクッション性の高い走路です。
馬への負担が少なく、脚元の故障リスクを抑えながらしっかりとした負荷をかけることができます。
バランスよく長めの距離を走らせる際や、スタミナの強化にも利用されています。
利点 | 注意点 |
---|---|
脚元の負担が少ない | 重馬場では時計がかかる |
長めの距離も追える | スピード感は芝や坂路に劣る場合がある |
芝コース
芝コースは、実際のレースと同じ芝の上で追い切るコースです。
レースを直前に控えた馬に使用されることが多く、本番と同条件で負荷をかけられるのが特徴です。
芝の状態や当日の天候によるタイムの違いも出やすいですが、本番を見据えた調整にピッタリなコースと言えます。
ダートコース
ダートコースは土や砂が敷かれたコースで、芝とは違う筋力の使い方や走法の調整に適しています。
特にダートのレースに出走する馬の調教や、基礎体力を養う目的で使われることもあります。
重馬場になると負荷が増すため、調教強度に変化をつけたいときにも活用されます。
ポリトラックコース
ポリトラックコースは砂と樹脂素材をミックスした人口馬場で、天候の影響を受けにくいのが利点です。
コンディションが安定しており、調教タイムの比較検討もしやすい環境です。
芝やダートに比べて足元への負担も適度に抑えられているため、様々なタイプの馬が利用しています。
追い切りを見る際の注意点

競馬の予想に役立つ追い切り情報ですが、見る際にはいくつかのポイントに注意が必要です。
単純なタイムだけでなく、馬の状態や調教内容も総合的に判断することが大切です。
ここでは、追い切りを見るうえで特に大事なポイントを紹介します。
タイムの比較方法
追い切りでは、タイムが速いほど好調…と思いがちですが、単純なタイムだけで判断するのは危険です。
まずは同じコースや同じ日の他の馬のタイムと比較することが重要です。
そのうえで、以下のポイントに注意しましょう。
- 過去のその馬自身の追い切りタイムと比較する
- 馬場状態(良・稍重・重など)をチェックする
- 併走馬との兼ね合いや、単走か併走かも確認する
- 調教の意図(強めか、軽めか)を考える
このようにタイムの数字を見るだけでなく、背景や条件も総合的に比較することが大切です。
馬体の動きに着目するポイント
追い切りで注目すべきなのはタイムだけではありません。
馬体の動きも見逃せないチェックポイントです。
動きのポイント | チェック内容 |
---|---|
フォームの安定感 | 首や脚の動きが無駄なくスムーズか |
反応の良さ | 指示に対する反応や、ラストの伸び具合 |
馬体の張り | 筋肉に張りがあり、毛ヅヤが良いか |
特にフォームが乱れていたり、途中で首が上がったりする場合は注意が必要です。
動画などで馬の動きを確認し、滑らかさや手応えもチェックしましょう。
馬の気配の見極め方
最後に、馬自身の気配を見ることも重要です。
元気いっぱいで集中力があるか、逆にテンションが上がりすぎていないかなど、細かな点にも注目しましょう。
具体的には次のような気配をチェックします。
- 耳の向きや表情が自然か、落ち着いているか
- 発汗が多すぎないか(入れ込み気味かどうか)
- 体が細く見えないか(調整過程の不調がないか)
- 厩舎スタッフや騎手のコメントも参考にする
気配は数字では表しにくい部分ですが、経験を積んで観察力を養うことで的確に見極められるようになります。
馬ごとの個性や、過去の様子と比較して総合的に判断することが大切です。
競馬予想で追い切り情報を活用するコツ

競馬予想で的中率を上げるには、追い切り情報を上手に分析することが大切です。
追い切りとは各馬がレース前に行う調教のことで、馬の状態や仕上がり具合を読み解くヒントがたくさん詰まっています。
調教時計だけでなく、動きや手応え、過去の調教内容との変化、厩舎の特徴など、さまざまな角度から情報を活用しましょう。
過去の追い切りと比較する方法
通常、追い切りの評価は単発ではなく前走や過去の調教内容と比較して行います。
同じコースや同じ距離での時計を並べることで、調子の上昇や下降を把握しやすくなります。
たとえば、同じ馬が今回と前回でどのように調教を消化しているかを見比べ、変化が見られる部分に注目するのがポイントです。
また、休養明けの馬の場合は、過去の休養明けと比較することで馬の仕上がり度合いが見えてきます。
- 調教タイムや内容を前後で比較してみる
- ダート・芝など調教のコースが違う場合も考慮する
- 併せ馬での動きや手応えにも注目する
こうした観察が、馬の調子をより正確に判断する材料となります。
馬の状態変化を捉える視点
追い切りでは馬の体つきや動きも重要なチェックポイントです。
調教専門紙や競馬場のパドックでの情報も参考に、前回と比較して「毛ヅヤ」「気合い乗り」「脚捌き」「走りに力強さがあるか」など細かい点を見ていきます。
特に好調の兆候が表れやすい例を表にまとめます。
観察ポイント | 好調のサイン |
---|---|
毛ヅヤ | ツヤがありピカピカしている |
気合い乗り | 前向きで集中している |
脚捌き | キビキビしている |
走りの力強さ | 力強いパワフルな動き |
これらのポイントを押さえて、普段と違う動きや変化がないかをしっかり確認しましょう。
厩舎ごとの傾向
厩舎によって追い切りのやり方には個性があります。
ある厩舎は本番直前にしっかり追い込むスタイル、またある厩舎は軽めの調整を重ねて仕上げるなど、それぞれの特徴を覚えておくと予想の精度がアップします。
たとえば、時計が遅めでも好走する厩舎や、ハードな追い切り直後によく走る厩舎もあります。
特定の厩舎のパターンを記録していると、調教内容が「本気」なのか「仕上げ途上」なのかを読み取りやすくなります。
普段から各厩舎の過去の追い切りとレース結果をチェックして、自分なりのメモを作っておくのもおすすめです。
追い切りを理解すると得られる競馬の楽しみ方

これまで追い切りの基本や見方について触れてきましたが、追い切りを理解できるようになると、競馬の楽しみ方が格段に広がります。
追い切りは馬の調子や成長具合、陣営の狙いを知る上で貴重な情報源です。
調教タイムや動きを自分でチェックできるようになると、予想にオリジナルのスパイスを加えることができ、レース当日がさらにワクワクしたものになります。
また、競馬新聞やネットで見かける「この馬は追い切り抜群」といったコメントの意味も明確に理解でき、深くレースを読み解く楽しみも増えていきます。
自分なりの視点で勝ち馬を探すプロセスは、当たる喜びだけでなく、「自分で見抜いた」という満足感につながります。
応援している馬の追い切り映像を見て、「今回は動きが良さそうだ」「この馬は一息必要かもしれない」と、ファンとして労わることもでき、より一層馬への愛着が深まります。
一度追い切り情報に注目し始めると、競馬がさらに「奥深い趣味」へと変化していくはずです。
自分だけの視点を持ち、予想や観戦に新たな発見を加えながら、より充実した競馬ライフを楽しんでください。