地方競馬の格付け表を見て「仕組みが分かりにくい」と感じたことはありませんか。
アルファベットや数字、漢字など多様な表記や、競馬場ごとの違いで混乱する方も多いはずです。
しかし、格付け表を正しく理解できれば、馬の実力やレースの展開をより深く予想でき、馬券購入や観戦の楽しみが大きく広がります。
この記事では地方競馬における格付け表の基本から異なる競馬場ごとの特徴、活用法まで分かりやすく解説します。
未知の要素が多い地方競馬の格付け表の世界、その魅力を一緒に探ってみませんか。
地方競馬の格付け表の仕組みと種類

地方競馬では、すべての競走馬が実力や成績に応じて格付けされ、レースへの出走資格が厳格に管理されています。
この格付けは馬の成長や活躍に合わせて変動し、競争の公平性と地域ごとの個性を生み出す重要な仕組みとなっています。
各地方競馬ごとに若干のルールや表記の違いはありますが、基本的な考え方は共通しています。
クラス分けの基本構造
地方競馬の格付けは、一般的に「クラス」と呼ばれる仕組みを用いています。
各クラスは獲得賞金や、レースでの成績を基準にして決まります。
新馬戦でデビューした馬はもっとも下位のクラスに属し、勝ち上がったり賞金を加算するごとに上のクラスへ昇級していきます。
一方、成績不振が続く場合には降級することもあり、競馬におけるモチベーションや目標づくりにも大きく関わっています。
- デビュー直後は「C級」などの下位クラスが一般的
- 勝ち星や賞金の積み重ねでB級、A級と昇級
- クラス分けは地区やレース主催者によって異なる場合がある
アルファベット・数字・漢字による格付け表記
地方競馬では、格付け表を表記する際にアルファベット、数字、漢字といった多様な記号が用いられています。
たとえば「B1」「C2」のようなアルファベットと数字の組み合わせや、「A級」「B級」「C級」といった漢字表記が使われます。
また、一部の主催者では「重賞」「特別」「一般」など、レースのグレード別に表記するケースもあります。
以下の表は、格付け表記の代表例です。
表記例 | 意味 |
---|---|
B2 | Bクラスの中でも2番目のグループ |
C1 | Cクラスの最上位グループ |
A級 | 最上位クラス |
重賞 | 特別な格式の高いレース |
番組賞金と昇級・降級ルール
クラス分けの基準となるのが「番組賞金」と呼ばれる、地方ごとに規定された獲得賞金の合計です。
一定期間内に所定の賞金額を上回ると昇級、下回ると降級の対象となります。
これにより、各馬が同じレベルの相手と競うことができ、レースのバランスが保たれています。
また、開催ごとに昇級・降級の見直しが行われており、実力どおりの格付けになるよう調整が続けられています。
厩舎や馬主への影響
格付けは厩舎や馬主にとっても大きな意味があります。
有利なクラスで走ることができれば、勝利や賞金獲得のチャンスが増え、馬主や厩舎の収益にも直結します。
昇級を目指すことで調教師や騎手のモチベーションが高まり、厩舎全体のレベルアップにもつながります。
一方で降級の場合は再起を図るきっかけにもなり、適切なクラス編成が競走生活の充実に役立っています。
格付け表の確認方法
自分が応援している馬のクラスや格付けを確認するには、主催者の公式ウェブサイトや競馬新聞、出馬表が役立ちます。
地方競馬場ごとにレース前には出走馬のクラスが必ず記載されており、JRAや各地方競馬の公式ページでも最新情報が提供されています。
また、スマートフォン向けの競馬アプリや情報サイトでも手軽に格付け情報をチェックすることができます。
地方競馬と中央競馬の格付けの違い
地方競馬と中央競馬(JRA)の間には、格付けのシステムや表記にいくつかの違いがあります。
地方競馬では多くの主催者によって独自ルールでクラス分けされていますが、中央競馬は全国統一の条件で格付けされています。
また、レースクラスの呼称も異なり、中央競馬では「1勝クラス」「2勝クラス」のようなステップ制が導入されています。
このため、同じ「B級」や「C級」という表記でも、その実力の目安は地方と中央で大きく異なります。
主要地方競馬場ごとの格付け表の違い

全国の地方競馬場では、それぞれの競馬場ごとに独自の格付け表が存在します。
格付け表は競走馬のクラス分けやレース編成に関わる重要な基準となっており、地域によって特徴や呼称が異なります。
ここでは、代表的な地方競馬場ごとに格付け表の違いについて解説します。
南関東競馬の格付け表
南関東競馬とは、大井競馬場・川崎競馬場・船橋競馬場・浦和競馬場の4場で構成されている大規模な地方競馬エリアです。
南関東の格付け表は非常に細かく、能力別にクラスが設定されています。
一般的には「SⅠ」「SⅡ」「A1」「A2」「B1」「B2」「C1」「C2」「C3」のように大きく分かれており、さらに細分化される場合もあります。
各クラスごとの特徴は以下の通りです。
- SⅠ・SⅡ:最高格付けの重賞競走が中心
- A級:レベルの高い一般戦で主力となるクラス
- B級:中堅馬のステップアップの場
- C級:上級クラスに昇格を目指す新馬や成績不振の馬が中心
成績や獲得賞金に応じてクラス分けが行われているため、力が拮抗したレースが多いのが特徴です。
ホッカイドウ競馬の格付け表
ホッカイドウ競馬では、A~Cの3クラスが基本的な区分となっています。
各クラスはさらに細かく分かれており、「A1」「A2」「B1」「B2」「C1」「C2」といった区分が設けられています。
格付けの基準となるのは主に勝利数や獲得賞金額です。
クラス | 主な該当馬 |
---|---|
A1 | 最上位馬、主に重賞戦線で活躍 |
B1・B2 | 中堅クラス、安定した成績の馬 |
C1・C2 | 入着経験が少ない馬、新馬など |
毎年シーズンごとに昇格・降格があり、常に適したレベルの馬同士で戦えるようになっています。
兵庫競馬の格付け表
兵庫競馬(園田・姫路競馬)の格付けは、A級からC級、または下級クラスとして「D級」や「E級」まで細かく分類されています。
特にAクラスとBクラスの中でも「A1」「A2」「B1」「B2」などに分かれています。
昇格・降格ルールが明確で、公平なレース編成を目指しています。
兵庫競馬の格付けの主な特徴は次の通りです。
- A級(A1・A2):ハイレベルなオープンクラス
- B級(B1・B2):成績上位~中位クラス
- C級:新規参戦や成績下位の馬が主に所属
レースの面白さや予想のしやすさにつながる工夫がされているのも兵庫競馬の魅力です。
高知競馬の格付け表
高知競馬では単純明快な格付け体系が特徴です。
「A級」「B級」「C級」という3段階が基本となっており、各クラス内でさらに「A-1」「A-2」や「B-1」「B-2」など細かく分けることもあります。
高知競馬の格付け表は賞金によるシンプルな昇降級制度がとられています。
下記は高知競馬の主なクラス構成例です。
クラス | 特徴 |
---|---|
A-1 | 最上位クラス。重賞やオープン戦で活躍 |
B-1~2 | 成績中位の馬が中心 |
C-1~2 | 新馬や転入馬、成績下位クラス |
勝利を重ねることで比較的早くクラスアップできる仕組みなので、新たなスター馬が誕生しやすい環境となっています。
佐賀競馬の格付け表
佐賀競馬の格付け表は比較的シンプルで、S級からC2級まで分かれています。
S級は主力馬や重賞・特別戦に出走できるトップクラス、A級はそれに次ぐクラスです。
B級は上記より成績が劣る馬、C1およびC2級は最下位層の馬が所属します。
具体的な格付けは次のようになっています。
- S級:最上位馬が集まり、高レベルな争いが展開
- A級:上位馬が集い、S級への昇格を目指す
- B級:中堅・新興馬の競走
- C1級・C2級:成績が安定していない馬や新規馬主体
成績や賞金に応じて定期的に昇級・降級が行われるため、どのクラスのレースも見ごたえがあります。
重賞・ダートグレード競走における格付け表

地方競馬でも重賞レースは競馬ファンにとって大きな注目を集める存在です。
特にダートグレード競走は地方競馬と中央競馬の実力馬が激突する舞台となり、その格付けが重要な要素となります。
ここでは重賞やダートグレード競走におけるレースの格付けと分類について、それぞれの違いや特徴を見ていきます。
ダートグレード競走の格付け
ダートグレード競走とは、地方競馬で実施されるグレード付きの重賞レースを指します。
この競走はJRA(中央競馬)所属馬の出走も可能で、全国の地方競馬場で年間を通じて様々な距離、条件で行われます。
格付けは上から順にJpnI(最上位)、JpnII、JpnIIIの3段階に分けられています。
以下に主なダートグレード競走の格付け例を表にまとめます。
グレード | 主なレース名 | 特徴 |
---|---|---|
JpnI | 東京大賞典、帝王賞、川崎記念など | 最もレベルが高く、中央馬も多数出走 |
JpnII | 浦和記念、東海ステークスなど | JpnIほどではないがハイレベルな争い |
JpnIII | マーキュリーカップ、佐賀記念など | 地方競馬ならではの広がりがある |
Jpnグレード表記
地方競馬のグレードレースでは「JpnI」「JpnII」「JpnIII」といった表記が使われています。
この「Jpn」は、国際的なグレード(G1、G2、G3)とは異なり、日本国内における独自の格付けであることを示しています。
国際グレードと区別するため、地方や一部中央のダート重賞にはこのJpn表記が採用されています。
- JpnI(ジェイピーエヌワン):国内最高レベルの重賞
- JpnII(ジェイピーエヌツー):ややランクが下がるが高額賞金レース
- JpnIII(ジェイピーエヌスリー):地域色が強いが格付けされた重賞
これにより、ファンや関係者はそのレースの格式や質を容易に識別できます。
地方重賞と中央重賞の格付け比較
中央競馬の重賞は「G1」「G2」「G3」という国際基準のグレードでランク付けされています。
一方、地方競馬の重賞にはJpnI~JpnIIIのように国内独自の基準が設けられています。
この違いは、中央競馬のレースが国際評価の対象となっている一方、地方競馬は国内評価に限定されるためです。
中央重賞と地方重賞を比較すると以下のような特徴があります。
- 中央のG1は世界的に評価されるが、地方のJpnIは国内のみの格付け
- ダートグレード競走は、地方競馬の興行価値や実力馬の交流を目的に創設
- 中央馬の出走がある地方重賞はレベルが高まり、注目度も大きい
こうした違いや特徴を把握することで、重賞レース選びや馬券予想の際にも役立てることができます。
格付け表を活用した予想のコツ

地方競馬の格付け表を使いこなすことで、レース予想の精度は大きく向上します。
クラスによる競走馬のレベルの違いをしっかり理解し、傾向を把握することがカギになります。
また、格付けごとにデータを整理し分析することも重要です。
クラスごとの馬実力の見極め
地方競馬ではA級からC級など、明確なクラス分けがされています。
それぞれのクラスは過去の実績や獲得賞金によって振り分けられており、基本的に同じクラス内では実力差が小さくなります。
予想を立てる際は、出走馬が現在どのクラスに属しているかをしっかり確認しましょう。
同じクラスでも近走の着順や持ちタイムに注目すると、より細かい馬の実力差を掴むことができます。
この見極めが予想の的中率アップにつながります。
移籍馬や昇級馬への注意点
移籍馬や昇級馬は、前走と異なる格付け環境での競走となるため注意が必要です。
移籍馬の場合、以下のポイントをしっかり押さえましょう。
- 前所属競馬場のレベルやコースの特徴
- 移籍後初戦なら順応にかかる時間
- 新しい騎手や厩舎との相性
昇級馬については、下表のようにクラスが上がることでどれだけ成績に影響が出るかデータを参考にできます。
馬のタイプ | 昇級初戦成績 | 二戦目以降成績 |
---|---|---|
先行タイプ | 比較的健闘 | 安定しやすい |
追い込みタイプ | 苦戦傾向 | 成績向上する場合も |
このような傾向を把握しながら予想を立てていきましょう。
格付け別データの使い方
格付け表を活用するには、まずどのクラスでどんな傾向が出ているのかを分析することが重要です。
過去の同クラス開催レースのデータを集めて、人気馬の信頼度や穴馬の台頭率などをチェックしましょう。
特定クラスで連勝している馬の特徴や、勝ち馬に多い脚質などにも目を向けると予想の幅が広がります。
さらにクラス別の平均タイムや勝ち馬の年齢構成などにも注目すると、より深い分析ができるようになります。
地道にデータを蓄積し活用することで、的確な予想が立てられるようになるでしょう。
地方競馬の格付け表を知るメリット

地方競馬の格付け表は、競馬ファンにとって多くのメリットがあります。
競馬の楽しみ方や予想の可能性を広げるために、格付け表を活用することで、より深く地方競馬を味わうことができます。
予想精度向上
格付け表を把握することで、出走馬やレースレベルの把握がしやすくなります。
例えば、A級やB級といった格付けにより、各馬の技量や能力傾向を比較しやすくなります。
また、同一グレード内の馬を中心に見れば、調子や戦績の違いが浮き彫りになり、より精度の高い予想が可能です。
以下のような観点から予想精度向上に役立ちます。
- 各グレードや級の特徴を押さえることで穴馬の発掘に繋がる
- 昇格や降格した馬のパフォーマンス変化に注目できる
- 格付けごとの過去データ集計により傾向分析がしやすい
レース観戦の楽しみ方が広がる
格付け表を知ることは、レース観戦の視点を増やすことにもつながります。
どの馬が昇格・降格を繰り返しているのか、また各級で活躍している騎手や厩舎はどこかといった新しい着眼点が生まれるでしょう。
格付け昇格をかけた熱い対決や、「格上挑戦」の馬の健闘など、より多彩なドラマを感じ取ることができます。
たとえば、以下のような視点で楽しめます。
楽しみ方 | ポイント |
---|---|
級の昇格争い | 連勝中の馬が上のグレードでどこまで通用するか注目 |
降格馬の巻き返し | 一度降格した馬が再度上位に返り咲くかを観察 |
新星の発掘 | 下位級から台頭する将来有望な馬を見つける楽しさ |
馬券戦略の幅が増える
格付け表を参照することで、馬券の買い方にも工夫の幅が広がります。
例えば、昇級初戦の馬を狙うのか、降級馬の巻き返しに期待するのか、といった立ち回りを考える材料が増えます。
また、グレード上位のレースでは実力馬同士がしのぎを削る分、配当妙味を狙うこともできます。
さらに、地域ごとの級や格付け制度の違いを知ることで、遠征馬や異なる競馬場の出走馬の評価も的確に行えるようになります。
このように、格付け表の活用は地方競馬ならではの独自の馬券戦略を生み出す助けとなるでしょう。
地方競馬の格付け表を理解してレースをさらに楽しむ

ここまで地方競馬の基礎や楽しみ方を紹介してきましたが、最後に重要なのが「格付け表」です。
地方競馬では各レースに参加できる馬のレベルや実績を「格付け」によって分類しています。
この格付けを理解することで、実力差やレースの難易度を予想しやすくなります。
格付け表を活用することで、勝敗予想の精度も高まるため、観戦だけでなく馬券購入にも役立ちます。
初めは複雑に感じるかもしれませんが、何度か見ていくうちに自然と分かるようになるでしょう。
格付け表を上手に使って、自分だけの楽しみ方を見つけてみてください。
これで地方競馬をより深く楽しむための基礎情報は揃いました。
ぜひ実際のレースで格付け表をチェックしながら、あなただけの競馬体験を充実させてください。