競馬を観戦していると「なぜあの馬はあんなに速く走れるのか」と気になったことはありませんか。
実は、馬の走り方の違いが結果に大きな影響を与えているのです。
理由が分からずもやもやしたままレースを見たり、馬券予想が難しく感じたりすることもあるでしょう。
この記事では、競馬特有の走り方についてわかりやすく解説し、その特徴がレース展開や予想にどう結びつくかを詳しくご紹介します。
競馬の走り方に注目することで、観戦や馬券予想が一層面白くなるはずです。
競馬の走り方が結果に与える影響

競馬において馬の走り方は、そのレースでのパフォーマンスや結果に大きく影響を与えます。
馬ごとに体格や筋肉のつき方、脚の長さ、そしてフォームなどが異なるため、適した走り方にも個性が出ます。
それぞれの馬の走法や特徴を理解することで、どの条件やコースで好成績を収めやすいかを予測しやすくなります。
ストライドの幅の特徴
ストライドとは、馬が一歩ごとに地面を踏み出す歩幅のことを指します。
ストライドが広い馬は、1歩あたりに進む距離が大きくなるため、大きな動きでスピードを乗せることができます。
一方で、狭いストライドの馬は細かく地面をとらえるため、器用に加速や減速を調整しやすいという特徴もあります。
下記の表は、ストライド幅の違いによる主な特徴をまとめたものです。
ストライドが広い馬 | ストライドが狭い馬 |
---|---|
スピードに乗りやすい | 加減速がしやすい |
長距離向きの傾向がある | 小回りコースに強い |
器用さに欠ける場合も | 器用に動ける |
ピッチの速さの違い
ピッチとは、単位時間あたりの脚の回転数のことを指します。
ピッチが速い馬は、短い距離でも素早く推進力を生み出すことができ、瞬発力に優れた走りを見せます。
逆にピッチが遅い馬は、持続的なスピードやバテにくさが持ち味とされる場合が多いです。
ピッチの傾向によって向いている距離や展開も変わってきます。
重心移動と安定感
馬が走る際には、体の重心移動が重要なポイントになります。
しなやかでスムーズな重心移動ができる馬ほど力を効率的に地面へと伝えやすくなります。
安定したフォームを維持できる馬は、疲れにくく長くトップスピードを保つことができます。
逆にバランスを崩しやすい走り方だと、余計な力を使い過ぎてしまい、終盤に失速しやすくなる傾向があります。
コース適性と走り方
競馬場ごとにコースの形やバンクの角度、路面状態に違いがあります。
走り方が合ったコースであれば、馬は本来の力を存分に発揮しやすくなります。
- 小回りコースにはピッチ走法や器用なストライドの馬が強い
- 直線が長いコースにはストライドの大きな馬が向いている
- 坂や芝・ダートといった路面の違いにも注目する必要がある
このように、走り方ごとのコース適性を知ることは予想を立てるうえでとても重要になります。
馬体の動きとフォームのバリエーション
馬によって、首や背中、脚の使い方などフォームのバリエーションは様々です。
頭を高く持ち上げて走る馬や、背中を丸めるようにして力強く伸びる馬など、それぞれ独自のフォームがあります。
こうした馬体の動きからは、レース中の集中力や疲れのサインが読み取れることもあります。
走法による得意な脚質
馬の走り方は、そのまま得意とする脚質にもつながります。
例えば、末脚が鋭くなる直線勝負型、先行して粘り込むタイプ、逃げ切り型などです。
走法 | 得意な脚質例 | 有利な展開 |
---|---|---|
ストライド走法 | 差し・追い込み | 直線が長い時 |
ピッチ走法 | 先行・逃げ | コーナーが多い時 |
走法と脚質の組み合わせを理解することで、レース展開の予想にも役立ちます。
走り方とケガのリスクの関係
走り方によって、どの部位に負担がかかるかも変わるため、ケガのリスクにも差が出ます。
オーバーストライド気味の馬は筋肉や腱に負担がかかりやすく、ピッチ走法の馬は関節や蹄への負担が大きくなりやすい傾向があります。
適切な走法と馬体のバランスが保たれていることは、長く活躍するための重要な要素となります。
競馬で見られる代表的な走り方の種類

競馬のレースや調教の中で、競走馬が見せる「走り方」にはいくつかの代表的な種類があります。
これらの走り方は馬のスピードや運動能力を表すだけでなく、安全性やパフォーマンスにも大きく関わっています。
それぞれの走り方には特徴や用途があり、観戦する際の見どころにもなります。
常歩(なみあし)
常歩は馬がゆっくりと地面を歩くときの基本の歩き方です。
前足と後ろ足を交互に出し、常に3本の足が地面についているので安定感があります。
競馬ではレース前後やパドックで馬を落ち着かせるためによく使われます。
馬自身がリラックスしやすい走り方でもあり、調教やウォーミングアップにも欠かせません。
速歩(はやあし)
速歩は常歩に比べて速いスピードで進む歩き方です。
左右対角にある前足と後ろ足を同時に動かす特徴があります。
なめらかなリズムで進みつつも、揺れが比較的少ないため、長時間の移動や調教時に適しています。
速歩の特徴をまとめると、以下の通りです。
- 左右対角の脚を同時に前に出す
- 常に2本の足が地面に着いている
- 比較的速く、疲れにくい歩き方
駈歩(かけあし)
駈歩は速歩よりもさらに速い、競馬でもよく使われる走り方です。
三拍子のリズムで、前足と後ろ足の動かし方に順番があります。
一般的に右前や左前をリードにしたりと、左右でリズムが異なることも特徴です。
速さやバランスを取りやすいので、競争よりも調教やウォーミングアップで多く見られます。
駈歩の特徴を表にまとめました。
リズム | 足の動き | 用途 |
---|---|---|
三拍子 | 前後の順番で交互 | 調教や基礎練習 |
襲歩(しゅうほ/ギャロップ)
襲歩は最も速い走り方で、競馬レース本番でほとんどの時間使われます。
四肢を連続的に大きく動かし、一時的に全ての脚が地面から離れる瞬間があるのが特徴です。
爆発的なスピードとダイナミックなフォームが魅力で、見る人の心を惹きつけます。
ゴールまでのラストスパートやレース全体で用いられ、競馬における「速く走る」動きの代表です。
側対歩(そくたいほ)
側対歩は特殊な走り方で、同じ側の前足と後ろ足を同時に動かします。
競走馬ではあまり一般的ではありませんが、ごく一部で認められています。
バランスを取るのが難しい分、個体によっては非常に速く動ける場合もあります。
競馬よりも馬術競技やショーで使われることが多いです。
競馬における走り方の見分け方

競馬のレースを観察すると、馬ごとに独自の走り方があることに気づきます。
走り方は競走馬の特徴や適性、調子を読み解く大切なポイントとなります。
脚の動きや首、背中や腰の使い方から、馬の個性や今後の活躍を推測できるため、しっかりと見分けるコツを知っておきましょう。
脚の運び方
競馬において脚の運び方は馬の能力や疲労度、適性を示す重要なサインです。
馬の脚の動きにはいくつかのパターンがあり、それぞれ意味や特徴が異なります。
- ピッチ走法:テンポよく細かく脚を運ぶタイプ。小回りコースや短距離が得意。
- ストライド走法:大きく伸びのある脚運び。直線が長いコースや長距離に向く。
- 上下の動き:脚が地面を弾むような場合、筋肉の柔らかさや勢いが判断できる。
脚のリズムが安定している馬は体調も良好なことが多く、反対にバラバラな動きだと疲れや故障の兆候となることもあります。
レース前のパドックや返し馬で脚の運びに注目しましょう。
首の動き
馬の走行中の首の使い方は、そのスピードや推進力に直結します。
効果的な首の動きがあることで、馬は正しいフォームでエネルギーをロスなく地面に伝えられます。
首の動き | 特徴 |
---|---|
リズミカルな伸縮 | 走りに勢いがあり、好調の兆し |
首が高いまま | 緊張や戸惑い、力の分散が多い |
左右へのブレ | 集中力が欠けている可能性あり |
首の上下動がスムーズな馬は推進力がしっかりしており、レースも安定しやすいと言われています。
背中と腰の使い方
背中や腰の使い方は、馬の持つ身体能力や持久力を如実に表します。
背中を柔らかく波打たせるように走る馬は、地面からの衝撃も上手に吸収でき、長距離戦で有利な場合が多いです。
逆に背中や腰がこわばっていると、伸びのない走りになりパフォーマンスが落ちやすくなります。
見分けるポイントは以下の2つです。
- 背筋がなめらかに動いているか
- 腰がしなやかに押し出されているか
背中と腰のバランスよい使い方ができている馬は、レースで期待する価値が高いでしょう。
走り方の特徴を活かした馬券予想のヒント

馬ごとに異なる「走り方」は、レース展開や着順に大きく影響します。
それぞれの馬の特徴を知ることで、より精度の高い馬券予想が可能になります。
ここでは、重要な3つの視点で馬の走り方を分析し、馬券予想に役立てるヒントを紹介します。
スタートダッシュの強さ
スタートが得意な馬は、前半からレースの流れを自分のペースに持ち込むことができます。
ゲートの反応が良い馬や、短距離戦で先行力を活かせる馬は、逃げや先行策で好成績を収める傾向があります。
特に混戦や小頭数のレースでは、スタートダッシュが他馬との差となりやすいです。
- スタートで出遅れしやすい馬かどうかを確認する
- 過去のスタート成績や位置取りをリサーチする
- 逃げ・先行馬が多いレースは展開予想がカギ
その馬がスタート直後に安定して前に行けるかどうかは、予想をする際の大きなポイントとなります。
コーナーでの加速力
コーナーでの動きが上手な馬ほど、レース中盤以降で順位を上げやすいです。
コーナーワークが巧みな馬は外を回されてもロスが少なく、内枠の利を生かすことも得意です。
また、小回りコースで行われるレースでは、この能力差が結果に大きく影響します。
馬名 | コーナー加速力 | コース適性 |
---|---|---|
スピードスター | 高い | 小回り得意 |
パワーマックス | 普通 | 直線長いコース |
テクニカルホース | 抜群 | 内枠巧者 |
コーナーごとのラップタイムや加速の仕方も、過去レースのVTRやデータで必ずチェックしましょう。
直線スピードの伸び
最後の直線でどれだけスピードに乗れるかは、勝敗を分ける大きな要素です。
「差し馬」や「追い込み馬」と呼ばれるタイプは、直線で一気に他馬を抜き去る場面が多く見られます。
特に長い直線があるコースでは、この直線での末脚が重要となります。
過去のレースで最後の直線の伸びを見極めることが、的中率アップのコツです。
また人気薄の馬が直線でぐんぐん追い込んでくることもあるので、しっかり注目しましょう。
走り方を育てるトレーニング例

競馬における馬の走り方は、日々のトレーニングによって大きく向上します。
正しい走り方を身につけることで、レースで安定したパフォーマンスが期待できるようになります。
ここでは、馬の走り方を育てるために効果的なトレーニングの具体例を紹介します。
フォーム修正のトレーニング
馬の走りフォームを修正する際は、まず正しい姿勢を保つことが重要です。
直線をゆっくり歩かせる「ウォーキング」や、速度を変えて走る「インターバルトレーニング」などが有効です。
フォームのポイントを意識するため、鏡を使って横から馬の姿を観察したり、動画撮影を通じて一緒に確認する方法もおすすめです。
トレーニング名 | 目的 | 注意点 |
---|---|---|
ウォーキング | 正しい姿勢の保持 | 無理のないペースで行う |
インターバル走 | リズムの向上 | 疲労具合を観察する |
これらを地道に継続することで、自然と美しい走り方が身についてきます。
バランス強化のエクササイズ
バランス感覚の強化は、安定した走り方に直結します。
下記のようなエクササイズが特に効果的です。
- 輪乗り運動:サークル状のコースをゆっくり歩いたり、軽い速歩をさせます。
- 坂道トレーニング:上り坂と下り坂を利用し、筋力とバランスを同時に鍛えます。
- 不整地トレーニング:足場の悪い道でバランスを意識して歩かせることで、効率的に体幹を刺激できます。
バランスを強化すれば、コーナーや直線でも崩れずに走り切る力が養われます。
持久力向上の練習方法
競馬で最後まで良い走り方を維持するには、持久力の向上が欠かせません。
ロングジョグや距離を伸ばしたトレーニングを定期的に取り入れると、徐々にスタミナがアップします。
また、インターバルトレーニングやラップを意識して走行することも大切です。
無理をさせ過ぎず、馬のコンディションを見ながらペース配分を調整しましょう。
これらのポイントを意識してトレーニングを続ければ、競馬で重要な走り方を育てる土台作りにつながります。
競馬の走り方を知ることで広がる楽しみ方

ここまで競馬の走り方について基本やポイントを説明してきました。
馬の動きや特徴を知ることで、レース観戦の視点がぐっと広がることを実感できたのではないでしょうか。
同じレースでも、脚質や馬の性格によって展開が大きく変わります。
これからは単純に結果を見るだけでなく、「どんな走り方をしているのか」「馬はどこで力を発揮しようとしているか」といった部分にも注目してみましょう。
知識を深めることで、競馬の応援の仕方や馬券の予想にも新しい発見がきっとあるはずです。
自分だけの注目ポイントを持っていると、仲間や家族で話すときもさらに盛り上がります。
競馬の奥深さや馬の魅力を感じながら、今後もレース観戦を楽しんでください。